糖尿病の治療方法は人それぞれ?治療方法の決まり方

健康

糖尿病を患っている方や、家族に糖尿病患者がいる方は心当たりがあるかもしれませんが、糖尿病の治療方法や治療方針は1人ひとりでずいぶん異なることがあります。

これは、糖尿病と一口に言っても、症状や体の状態が人それぞれ違うためです。

この記事では、それぞれの症状や状態によって治療方法や内容がどのように変わっていくのか詳しく解説します。

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治療方法を左右する血糖値とインスリン

糖尿病とは、血液中の血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの量が少なくなる、あるいは効きづらくなることを原因として、血液中の血糖値が上昇、高血糖になる病気です。

血糖値をコントロールするインスリンの量や作用は様々な要因により個人差がある、あるいは同じ個人においても時期によって差があります。

・年齢
・遺伝的な要因
・生活環境
・他の傷病の状態
・服用中の薬
・体形、体組成

また、インスリンだけではなく、血糖値のコントロールに関わるものとして、膵臓(すいぞう)から分泌されるグルカゴンや、消化管から分泌されるインクレチンといったホルモンもあり、これらの分泌量や作用の状態も人によってさまざまです。

したがって、同じ糖尿病と診断された方同士でも、これらのホルモンの分泌状態や血糖値の上がり方が違ってくるため、各々の状態や血糖値上昇のメカニズムを判別して治療方法を決めているのです。

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治療方法は時期によっても変わる

ここまで、糖尿病の治療方法が人によって違う理由を解説しましたが、同じ糖尿病患者でも時期によって状況や病態が変化するため、例えば1年前の治療方法と今の治療方法が変わることもあります。

例えば、年齢を重ねるごとにインスリンの分泌量は徐々に低下するため、これに対応した治療方法に変えていく必要があります。

また体形や他の傷病の状態なども影響するため、体の状態に応じて治療方法を変えていく必要があります。

これまで肥満体形であった方が食事療法・運動療法により標準的な体形になると、インスリンの効き方が改善することもよくありますので、そういった場合も(良い方向へ)治療方法を変えていくことになります。

具体的な治療方法のほか、日々の食事療法・運動療法にもその人の状態によって個別化した指導が必要になってきます。

例えば高齢の方であれば、最近よく言われるサルコペニア(運動量が低下し、筋肉量が減少する状態)を防ぐため、たんぱく質を重視した食事指導になるでしょうし、中年の肥満体形の方であれば適正体重を目指していくための食事・運動指導になるでしょう。

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糖尿病の治療方法まとめ

医療現場では糖尿病治療についてのガイドラインや指針がたくさん示されており、大まかな治療方針や基本的な治療内容については確かに決まっています。

ただし、これまで見てきたように糖尿病患者1人ひとりの体の状態や生活状況、治療を受ける時期などによって、高血糖を引き起こすメカニズムや留意すべきことが変わるため、その治療方法が大きく違うこともよくあります。

そのときの自分の状態に合った治療を受けるため、糖尿病の方はこまめに主治医に相談し、きちんと示された治療方法を実行していきましょう。

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