所得税と復興特別所得税(所得税の基本)

制度・仕組み

fp2級過去問について回答と解説をしていきます。

2017年9月試験からの出題。

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所得税と復興特別所得税の仕組み

所得税および復興特別所得税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.所得税の計算期間は、原則として1月1日から12月31日までの期間であるが、個人事業主については任意に定めた事業年度を計算期間とすることもできる。
2.所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。
3.所得税において課税対象となる所得は、総合課税または源泉分離課税のいずれかの対象となる。
4.復興特別所得税は、その年分の所得税額に2.5%を乗じて計算される。

明らかに間違っている、という感じの選択肢が少ないため、正確な数値や知識を覚えていないと間違えやすい問題な気がします。

まずどう見ても間違っているのは1。個人事業主であっても所得税の計算期間は1月1日~12月31日です。

決まって毎年年末~年明けあたりに確定申告の本が店先に並ぶのは、基本的に全ての個人の所得税の計算・申告期間が一緒だからです。

ただし法人については例外であり、任意に定めた事業年度を計算期間とすることができます。

次に間違っているのは3。

これは正確に税の種類の名前を覚えていないと、間違いであるという確証を持てないかもしれません。

所得税の対象となる所得は「総合課税」または「分離課税」となります。

さらに、分離課税の中で次の2つに分かれます。

・所得から税額が天引きされるものを「源泉分離課税」
・納税者自らが税額を申告する「申告分離課税」

そのため、選択肢のような書き方では総合課税と源泉分離課税にしかふれておらず、「申告分離課税」が抜けているため不適切となります。

次に選択肢の4ですが、残念ながらこれは丸暗記しかありません。復興特別所得税は2.5%ではなく2.1%です。

もし確定申告をやったことがあれば、確定申告書にも復興特別所得税の税率が書いてあるので覚えているかもしれませんね。

ということで、最終的に正解(適切)である選択肢は2となります。

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正答のポイント

この問題では、所得税や復興特別所得税に関する正確な知識がないと選択肢を絞り切れず正答確率が下がってしまいます。

総合課税や分離課税といった言葉はなかなか普段使わないため記憶の中に定着しづらいかもしれませんが、改めてテキストなどを何度か読み、言葉自体になじみがある(何回か見たことがある)状態にしておきましょう。それだけでも正解できる確率がずいぶん違ってきます。

正答率アップの第一歩は、まず言葉や用語になじみがある状態にすることです。学生時代の英語の勉強などを思い浮かべてもらうと分かりやすいですが、単語や言葉の意味が分からない・見たことがない状態では手も足も出ません。まずは「慣れ」が合格への必須事項です。

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