日本人の多くが名前を知ってはいるけども、意外と意識して見たことがないボケ(木瓜)の花。
ボケの花ってどんなのだったっけ・・・?
名前の響きからはあまり良いイメージがないかもしれませんが、紅白の美しい花を咲かせます。
ただ、ボケの花を庭木や贈り物にするのは縁起が悪いという説もあるようです。
ボケの花を植えたい、贈りたいときはどうすればいいのでしょうか?詳しく解説していきます。
ボケの花は縁起が悪いのか?
一部で「ボケの花は縁起が悪い」という説がささやかれていますが、実際はそんなことはありません。
むしろ紅白2色の花を咲かせるという点に着目すれば、ボケの花は縁起が良いともいえるでしょう。
分類としてはバラの仲間なので香りもよく、花が咲いた後にできる実を酒に漬け込んで香りづけをする「ボケ酒」をつくることもできます。(滋養強壮・疲労回復に効果あり)
その点では、ある意味実用性も兼ねそなえた花と言えるかもしれません。
ボケの花は縁起が悪いと言われている理由は?
ボケの花は縁起が悪いと言われる説には、特に歴史的ないわれや、風水・言霊のような理由づけなどがあるわけではありません。
・認知症の通称である「ボケ」と発音が同じ
という程度の理由で、なんとなく縁起が良くないものとされてしまっています。
特に認知症を指す意味での「ボケ」という単語は今でもよく使われるので、つい連想してしまうのも無理からぬことかもしれません。
しかし、ボケの花は最初から「ボケ」という名前だったわけではありません。
元々は、瓜のような実をつけることから「木瓜(もっけ)」という名前で呼ばれていたものが、いつのまにか転じて「ボケ」と呼ばれるようになってしまったのです。
このことからも、罵り言葉や、認知症を指す意味の「ボケ」とは全く関係がないということが分かりますね。
ボケの花を贈る・庭木にするときの注意点
ここまで説明してきたとおり、ボケの花は罵り言葉や、認知症を指す意味の「ボケ」とは全く関係がないため縁起が悪いなどということはなく、むしろ紅白の花を咲かせ、春の訪れを告げる(春先に花が咲く)という意味では縁起の良い花です。
ただし、ボケの花を人に贈る・庭木にするときは若干注意が必要になりますので、注意点をふまえて慎重に判断しましょう。
ボケの花を人に贈る
本来ボケの花は縁起の良いものですので、鉢植えなどを人に贈ること自体は全く問題ありません。
ただしこれまで説明してきた通り、言葉のイメージでなんとなく「縁起が悪い」と考えている人も多いので、なんの脈絡もなくいきなり贈ってしまうと、イヤミや悪意があると誤解されかねません。
特にご高齢の方は「俺にボケろってことか!」と早とちりし、激怒してしまうかも。
これを防ぐために、ボケの花を人に贈るときは「ボケの花は春を招くもので縁起が良いのであなたに贈るのだ」ということをきちんと説明しましょう。
さらに必要であれば、名前の由来(元々は「木瓜(もっけ)」という名前で、ボケとは全く関係がない)を伝えると良いでしょう。
ボケの花を庭木にする
ボケはバラの仲間ですので、その木にはトゲが生えています。
小さいお子さんがいるご家庭だと、うっかり木にさわってトゲが刺さってしまうことがありますので、子どもの手の届かないところに植えたり、木の周りを囲ったりという工夫が必要かもしれません。
また花や実は放っておくとポトポトと地面に落ちてそのまま地面で朽ちていってしまいますので、庭をキレイに保ちたい人にとってはいちいち拾って掃除するのが大変かもしれません。(実を拾ってボケ酒を作りたい!という方には良いですが)
なおご家族と同居されている場合は、家族の誰かが極端にボケを嫌っているとか、縁起が悪いと思い込んでいることがありますのでこの点にも注意しましょう。
ボケの花を庭木にすることに対して反対する家族がいるならば、事前に説明や説得し、家族みんなが納得したうえで庭木として植えることをおすすめします。
ボケの花の縁起についてのまとめ
ここまで説明してきた内容をまとめると、次のとおりです。
・ボケの花は縁起が悪いと言われている理由は、ただの言葉のイメージ
・ボケは元々「木瓜(もっけ)」という名前であり、世間一般で言う「ボケ」という言葉とは関係がない
・ボケの花を人に贈ったり庭木にしても問題ないが、一定の配慮や注意をしたほうが無難
世間一般のイメージに惑わされず、正しい知識や配慮をもてば誤解を招くことはありませんし、何より春先には本当に美しい花を咲かせてくれます。
贈り物や庭木にしようか迷っている方は、記事の内容を参考に、よく考えて決めていただきたいと思います。
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