サルコペニアは何科を受診するといい?受診すべき科と注意点

健康

サルコペニアって言われたらどこを受診したらいいの?

「サルコペニア」という言葉を聞いたことがありますか?

サルコペニアとは加齢や病気、その他の原因によって、体の筋力や運動機能が低下し、筋肉量が減少する状態をいいます。

もしサルコペニアの疑いがあると言われた場合は、何科を受診すればよいのでしょうか?

この記事ではサルコペニアと言われたときに何科を受診すればよいのか、また受診のときに注意したいことを解説します。

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サルコペニアとは何なのか?

サルコペニアとは、「筋力・運動能力の低下を伴った筋肉量の減少」を指す言葉です。

サルコペニアに陥る主な原因は加齢のほか、病気やケガによる運動量の低下とされています。例えばですが、

・腕や脚がやせ細って骨ばっている高齢者
・骨折で数ヶ月動かせず、細くなってしまった腕や脚

などがサルコペニアに陥っていると言える分かりやすい例でしょう。

人間の日常生活や動作は筋肉が支えているため、この状態のまま放置すると、身体にさまざまな運動障害や機能障害が現れてしまいます。

詳しい症状や原因、簡易的な診断方法についてはこちらの記事をご覧ください。

サルコペニアとは何?わかりやすく原因や予防法を解説!

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サルコペニアは何科を受診すべき?

それでは、サルコペニアあるいはその疑いありと言われた場合には何科を受診すべきなのでしょうか?

サルコペニアには原発性(加齢を原因とする)のものと二次性(病気などによる低活動状態を原因とする)のものがあり、それぞれ原因が異なるため一概にまず何科を受診すべき、という判断をするのは難しいところがあります。

例えば拒食症を原因とするサルコペニアの場合は、まず圧倒的に栄養状態が悪いことが主原因と考えられるので、拒食症の治療を優先して進める必要があるでしょう。

そういった特殊な事情を一旦おいておき、例えば一般的な加齢による筋肉量の減少から発生したサルコペニアなどであれば、

・リハビリテーションクリニック
・整形外科
・リハビリテーション科・整形外科のある総合病院

などが受診先として適していると言えます。

また数は限られていますが、「サルコペニア外来」などという名前で専門の窓口を設けている病院もありますので、そういったところで受診しても良いでしょう。

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サルコペニアで病院を受診するときの注意点

良さそうな病院も見つけて、さあ受診に行くぞ!と意気込んでいる方に注意してもらいたいことが1つあります。

それは、サルコペニア自体は疾患や病気ではないため、病名や診断名として「サルコペニア」とつくことは基本的にはないということです。

サルコペニアに起因する身体障害・機能障害のなかには病名・診断名がつくものもありますが、サルコペニア自体は「筋肉の機能や量が落ちている」という「状態」を指す言葉なので、病名ではないのです。

したがって、単に「サルコペニアだから」という理由で、病院で治療や指導を受けることは基本的にできません。
良くて一般的なアドバイス(栄養療法・運動療法)を受けて終わりでしょう。

とはいえ、サルコペニアの進行状態が深刻であったり、不安を感じるので専門的な治療や指導を受けたい、という場合もあるでしょう。
そのような場合は受診した病院の医師と相談し、例えば「運動機能障害」など、病院での治療・リハビリ対象となる診断を出してもらう必要があります。

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サルコペニアの予防・治療法

ここまで説明してきたとおり、サルコペニアは病気や疾患ではなく、筋肉の機能や量が低下した状態そのものを指します。

したがって、手術や投薬で比較的すぐに治るというものではなく、適切な運動と栄養摂取によりある程度時間をかけて筋肉の機能や量の回復をはかります。

予防についても全く同じで、普段からの運動・栄養面での生活習慣の改善がサルコペニアに陥らないポイントです。

軽度のサルコペニアであれば、まずは生活習慣の改善で無理せず少しずつ治していきましょう。

運動

・筋肉に負荷をかけて筋肉量を増大させるレジスタンストレーニング(例えば腕立て・スクワットなど)
・筋持久力をアップさせる有酸素運動(ウォーキング、ランニング等)

これらの運動を、毎日でなくてもいいのでまずは週に2~3回程度の頻度で始めてみます。
頻度はともかく、長期にわたって継続していくことが重要です。無理のない範囲で、最低3ヶ月は続けてみてください。

栄養

サルコペニアの予防という観点では、ヘルシーさを過度に重視するのではなく、筋肉の原料となる良質なたんぱく質・アミノ酸を十分に摂取することを心がけます。

運動量に見合わないカロリーを摂取すると肥満の原因になってしまいますので、カロリーの摂取過多にならない範囲で肉・魚・牛乳・大豆製品などを摂取し筋肉の基礎を作りましょう。

この他、筋肉の土台となる骨を丈夫にするためビタミンDの補給も必要です。

あまり知られていませんが、ビタミンDは日光を浴びることより体内で生成することができるため、屋外での運動や日光浴なども積極的に行いましょう。(生成には不飽和脂肪酸を必要とするため、魚や植物油を適切に摂取していることが前提です)

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サルコペニアは何科を受診すべきかのまとめ

ここまで、サルコペニアあるいはその疑いがある場合に何科を受診すべきか?について順を追って説明してきましたが、改めてポイントをまとめておきます。

・サルコペニアの原因によって受診先の判断は異なる
・加齢など一般的な原因であればリハビリテーション科、あるいは整形外科
・サルコペニアは病気・疾患ではないため専門的な治療・指導を受けるのは難しい
・専門的な対処を希望する場合は別の診断名をつけてもらえるよう相談する

繰り返しますが、サルコペニアそのものは病気や疾患ではありませんので、すぐに病院に行かないといけない!というものではありませんし、病院に行けばすぐ治るというものでもないです。

筋肉の機能や量が極端に低くなり深刻な状態であったり、心身に負担をかけるほど心配であれば受診をおすすめしますが、そうでなければ栄養・運動などの生活習慣を改善し、時間をかけてしっかり治していきましょう。

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